錦秋の近況報告2021
いつの間にやら晩秋。年末の足音が聞こえてきました。

これは京都の街場の素晴らしい食堂、わたつねの出汁巻き定食、牡蠣ごはん(小)カスタム。
わたつねには、和食、洋食、うどんにそば、そのほか季節のメニューなど、品書きが冗談じゃなく100種類くらいあっていつも目移りしてしまうのですが、デイリーユースの最適解にやっとたどり着きました。
大きな出汁巻きたまご(2切れ)はふわんふわんだし、もはや冬の名物にもなっている牡蠣ごはんは小サイズでも山盛り牡蠣が載っています。また、付け合せが素揚げの野菜というのがツボを押さえているというか、いい塩梅なんですよね。素朴な献立にちょっと油気が足されて、食べ出が出ます。
そして白眉は奥にある炊合せの小鉢。これが本当においしいのです!日替わりで季節の野菜が使われているのですが、いつ食べても安定感と驚きがあって…。きれいな、上等な味付け。こんな素晴らしい炊合せに定食屋でありつけるなんて、ありがたき幸せだなあと思います。もちろん、御香香とお味噌汁もピシッと決まって、すみずみまで神経が通っている感じ。いつ食べても心和むし元気が出ます。
冬場はお味噌汁を粕汁(おいしい)にカスタムも出来るのですが、そうするとボリューム的にも金額的にも、デイリーユースの範囲からはみ出てしまう気がして、まだやったことはありません。でもスペシャルならいいのかも。

続きまして、これは先週木曜(11/18)の法然院の様子。

まだ2、3分くらいの色づきでした。
先週日曜(11/21)には、サイクリングがてら奥嵯峨へ。
初めて入った宝筺院(ほうきょういん)は、視界いっぱいの真っ赤な紅葉に思わず「わあっ」と声が漏れるほど。

散り紅葉も見事です。

窓からの景色が額縁の絵のように見える本堂は、こんな感じでした。

それでも、もっと有名な名所に比べたら人出はましじゃないかな?気ままにのんびり過ごせる余裕も十分あったので…。
今年は、奥嵯峨の良さに目覚めた年でもありました。特に祇王寺は、暇さえあれば通っていたような気がします。
素晴らしく手入れされた苔生したお庭に、ささやかな茅葺きのお堂。悲恋の尼寺として知られていますが、平清盛にぞんざいに扱われた女たちの「シスターフッド寺」でもありました。お堂には祇王や妹の祇女、母刀自、そして祇王の次に平清盛に寵愛を受けた仏御前の仏像が安置されていますが、ちゃっかり平清盛もいて、しかしその配置がなんとも意地悪な場所にありいつも拝みながらニヤニヤしてしまいます。
そんな祇王寺の紅葉はというと、実は紅葉自体はそんなに良くないのですが(きれいに苔生すくらいの日の光が届かない場所にあるのでよくよく考えてみたらそうなりますね)、目に映らない良さというか、風のそよぐ音とか、土のにおいとか、そういうものがおもしろくてやっぱり特別でした。

ザ・「野趣」。
日の光が届かず色づきが進まないまま葉が落ちてしまうので、散り紅葉も黄色の割合が多くなります。苔の緑とのコントラストが他にはない感じ。

奥嵯峨にはいつもひとりで来るので、いつか誰かを案内したいなと思うのですが何しろアクセスが悪く、なかなか叶いません。自転車か車がおすすめの交通手段です。
この日は自転車で奥嵯峨~広沢池~宇多野と抜けて、最後は周山街道のサバーブでひと休みして帰宅しました。

これは、少し前に食べた出町のみつばちのあんず豆かん(あんトッピング)。

ここもまた錦秋の装いでした。