和田夏十の言葉
2022-04-11

誠光社web《編集室》連載「和田夏十の言葉」第6回が更新されました

市川崑の映画で知られる脚本家・和田夏十をテーマにした連載エッセイが更新されました!

誠光社 編集室|「和田夏十の言葉」第6回「舞台裏」

今回は、『和田夏十の本』「總合芸術『映画』と個との関係についての一考――O氏に申す――」より

映画にたづさわる(原文ママ)ものの常に心しなければならぬことは、或る意味で常時「己れ」という我執を殺しながら己れの個性を生かし伸ばさねばならぬということなのです。」

という一文を取り上げています。

「特集:シナリオ作家・和田夏十」と題されたキネ旬の誌面に掲載された、どこからどう手を付けたらいいのかわからないほど失礼な、お偉い方からの「ありがたい」お言葉。

これに対する和田夏十の言葉の至って丁寧な口調の奥底に、怒りとも呆れとも失望ともつかない、大きな感情のうねりを感じます。(そりゃそうだよ!)

しかしこの批評文、筆者の大黒側氏が寄稿の依頼を一度断ったにもかかわらず、キネ旬側から再オファーがあったようで。おそらく当時の邦画界全体が、氏と同様の視線を脚本家・和田夏十に対して送っていたのだと思います。

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