新しい著書が出ました。タイトルは『和田夏十の言葉』といいます。
これは誠光社のウェブサイト「編集室」の連載を加筆修正し、一冊にまとめたもので、装画と挿絵はイラストレーター・漫画家の黒木雅巳さんに描いていただきました。
古い映画が好きで、数は多くありませんがよく観ます。そうすると、昔の日本の映画は女性が簡単にひどい目に遭うことが多く、観た後に気落ちしてしまうことが少なくありませんでした。ただ、市川崑作品はそういう経験があんまりないことにある時ふと気づいたのです。脚本はどんな人が書いてるのかなと思って調べてみると、クレジットにあったのが「和田夏十(わだなっと)」という名前でした。市川崑の妻、市川由美子のペンネームです。気になって更に調べてみると、これが本当に魅力的で、4年ほど前には和田夏十がテーマのZINEを作ったくらい夢中になりました。という話を誠光社の堀部篤史さんにしたところ、そしたら書いてみたら~と声をかけてもらえたんでした。(2021年9月18日、連載開始時の挨拶より)
連載の経緯はこんな感じです。和田夏十による脚本、セリフや著述などから言葉をお借りして、個人的なことを書き綴ったエッセイ集です。
「梶谷さんはおもしろいよなあ。作る本作る本、毎回本屋で置かれる棚が違うもんなあ」
これは私の職場の上司の言葉です。この「おもしろい」には多少の(京風の)皮肉が混じっているのかもしれませんが、実際にその通りで、『恥ずかしい料理』で「梶谷いこ」を知ってくださった方は、「和田夏十、なんですか?それは」となっていることと思います。
でも、無理を承知で言います。ぜひ一度、お手に取って読んでみてください。
『恥ずかしい料理』も、この『和田夏十の言葉』も、根っこのところでは一つに繋がっています。それは著者が同じだから当然なのかもしれませんが、私は密かに、そして意図的に、どちらにも同じテーマを込めました。ぜひ、お手に取ってそれを確かめてみてやってください。
「和田夏十」なんて初めて聞いたという方も、市川崑の映画を観たことがない方も、『恥ずかしい料理』を気に入ってくださった方のなかにはきっと、同じ響きを感じてくださる方が居る。そう信じて私はこの本を書きました。
なお、本書は「誠光社同時代文庫」のシリーズ第一作目となります。今後も誠光社のウェブサイト「編集室」の連載が続々と文庫化予定とのこと。同シリーズのフォーマットデザインは、『恥ずかしい料理』でもお世話になったStudio Kentaro Nakamuraが手掛けられています。こちらもどうぞお楽しみに。


